全般
Q 一般的な柱書の例
「遺言者○○○○は、次の通り遺言する」
「相続させる」遺言
Q 遺産の全部を一定の相続人に「相続させる」場合
「遺言者は、その有する一切の財産を、遺言者の長男A(昭和30年1月1日生まれ、東京都世田谷区○○1-1-1在住)に相続させる。」
※ 生年月日、住所は必須ではありません。以下では省略。
Q 土地を相続させる場合
「遺言者は、遺言者の所有する次の土地を、長男Aに相続させる。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル」
Q 建物を相続させる場合
「遺言者は、遺言者の所有する次の建物を、長男Aに相続させる。
所在 横浜市中区○○
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 木造瓦葺平家建
床面積 ○○平方メートル」
Q 借地権付建物を相続させる場合
「遺言者は、遺言者の有する次の建物及び借地権を、長男Aに相続させる。
1 建物の表示
所在 横浜市中区○○
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 木造瓦葺平家建
床面積 ○○平方メートル
2 上記建物の敷地である横浜市中区○○、対象面積○○平方メートルに対する借地権(賃貸人○○、平成○年○月○日付賃貸借契約に基づく)」
Q 未登記の建物を相続させる場合
「遺言者は、遺言者の所有する次の建物を、長男Aに相続させる。
所在 横浜市中区○○
家屋番号 なし
種類 居宅
構造 木造瓦葺平家建
床面積 ○○平方メートル
ただし未登記」
※ 土地家屋調査士に、建物の現況を調査してもらい、目録を作ってもらうとよりよいでしょう。
Q 複数の土地を複数の相続人に相続させる場合
「1 遺言者は、遺言者の所有する次の土地を、長男Aに相続させる。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル
2 遺言者は、遺言者の所有する次の土地を、次男Bに相続させる。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル」
Q 不動産を一定割合で相続人間で分けて相続させる場合
「遺言者は、遺言者の所有する下記の土地を長男Aに3分の2、次男Bに3分の1の割合で相続させる。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル」
Q 預金を相続させる場合
「遺言者は、遺言者名義の次の預金債権を、長男Aに相続させる。
1 ○○銀行○○支店 普通預金 口座番号○○○○○
2 ○○信用金庫○○支店 定期預金 口座番号○○○○」
Q 一切の財産を長男に、長男が死亡の場合その子に相続させる場合
「遺言者は、その有する一切の財産を、遺言者の長男に相続させる、ただし、上記長男が遺言者と同時に又は先に死亡した場合には、一切の財産は、上記長男の子Cに相続させる。」
遺贈
Q 遺産の全部を法定相続人以外の第三者に遺贈する場合
「遺言者は、その有する一切の財産を、遺言者の内縁の妻Y(昭和20年1月1日生まれ、東京都千代田区○○1-1-1在住)に包括して遺贈する。」
Q 特定の土地を遺贈する場合
「遺言者は、その所有する以下の土地を、遺言者の孫Aに遺贈する。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル」
Q 負担付遺贈の場合
「1 遺言者は、その所有する以下の土地を、遺言者の孫Aに遺贈する。
所在 横浜市中区○○
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル
2 受遺者Aは、前項の遺贈の負担として、遺言者の妻○○に対し、同人が死亡するまで、その生活費として月額○○円を毎月末日限り同人が指定する銀行口座に振り込み送金して支払う」
Q 停止条件付遺贈の場合
「遺言者は、Aが婚姻したときには、同人に対し、金1000万円を遺贈する。」
Q 解除条件付遺贈の場合
「遺言者は、下記不動産を、甥○○○○に遺贈する。ただし、同人が、遺言者の子である○○が経営する個人商店○○を退職したときは、上記遺贈は効力を失う。」
Q 始期付遺贈の場合
「遺言者は、遺言者の死亡後1年を経過した時に、孫Aに金100万円を遺贈する。」
Q 終期付遺贈の場合
「遺言者は、遺言者の死亡後10年間だけ、次の不動産家賃収益を、内縁の妻Bに遺贈する。」
遺産分割方法の指定
Q 遺産分割方法を指定する場合
「遺言者は、遺言者の遺産を、分割協議において次のとおろ分割するよう分割の方法を指定する。
1 遺言者が個人にて経営する○○商店の店舗(借地権付建物)及びその営業に関する一切の資産は、長男Aが取得する。
2 上記1以外は長女Bが取得する。」
Q 遺産分割方法の指定を委託する場合
「遺言者は、その遺産全部について、その分割方法を定めることを次の者に委託する。
住所 横浜市中区○○
氏名 ○○○○
生年月日 昭和○○年○○月○○日
職業 ○○」
遺産分割の禁止
Q 遺産分割の禁止
「遺言者は、遺言者の遺産全部について、その分割を相続開始の時から5年間禁止する。」
相続分の指定
Q 法定相続分と異なる相続分の指定を行う場合
「遺言者は、次のとおり相続分を指定する。
妻 A 8分の3
長男 B 8分の4
次男 C 8分の1」
Q 相続分の指定の委託
「遺言者は、相続人全員につきその相続分の指定をすることを次の者に委託する。
住所 横浜市中区○○
氏名 ○○○○
生年月日 昭和○○年○○月○○日
職業 ○○」
特別受益に関する意思表示
Q 持ち戻し免除の場合
「遺言者は、長男Aに対し、平成○○年○○月○○日、生計の資本として金1000万円を贈与してあるところ、同人の遺言者及びその妻に対する経済的・精神的援助を十分に尽くしてくれたことを考慮して、その持ち戻しを免除する。」
遺留分減殺請求関連
Q 遺留分減殺請求の対象の相手方を指定する場合
「遺言者は、遺留分の減殺は、まず第○条により長男Aに相続させる財産からすべきものと定める。」
Q 遺留分減殺請求の対象財産を指定する場合
「遺言者は、遺留分の減殺は、まず有価証券よりすべきものと定める。」
Q 遺留分減殺請求の相手方と対象財産を指定する場合
「遺言者は、遺留分の減殺は、まず次男Bに相続させる財産から、そのうち預貯金からすべきものと定める。」
生命保険受取人の変更
Q 生命保険金の受取人を遺言で変更する場合
「1 遺言者は、平成○○年○○月○○日X生命保険株式会社との間の生命保険契約(保険証券記号番号、保険金額)の生命保険金の受取人を妻Aから長男Bに変更する。
2 この遺言の遺言執行者として、長男Bを指定する。
遺言執行者
Q 遺言執行者として第三者である専門家を指定する場合
「遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
横浜市中区○○
山田太郎
昭和○○年○○月○○日生まれ
職業 弁護士」
Q 遺言執行者として長男を指定する場合
「遺言者は、この遺言の遺言執行者として、長男Aを指定する。」
Q 遺言執行者を指定し、権限を明示する場合
「遺言者は、この遺言の遺言執行者として、A(住所、職業、生年月日)を指定する。
遺言執行者は、遺言者名義の不動産の名義変更、遺言者名義の預貯金の名義変更、解約、払い戻し等本遺言執行のため必要な一切の権限を有する。」
Q 遺言執行者の指定を委託する場合
「遺言者は、この遺言の遺言執行者の指定を、長男Aに委託する。」
Q 遺言執行者の報酬の定める場合
「遺言執行者に対する報酬は、遺言執行対象財産の○○%とする。」
遺言の撤回
Q 以前の作成した公正証書遺言を撤回する場合
「遺言者は、平成○○年○○月○○日付で作成した公正証書遺言を撤回する。」
Q 以前の遺言が行方不明の場合
「遺言者は、本遺言の作成日より前に作成した遺言をすべて撤回する。」
相続人の廃除
Q 相続人を廃除する場合
「遺言者の三男Cは、遺言者に対し日常的に暴行を加えるなど虐待を継続しているので、遺言者は同人を推定相続人から排除する。」
Q 相続人の廃除の取り消す場合
「遺言者の三男Cは、推定相続人を廃除されていたが、現在は、素行が改まり、虐待も一切行われなくなったので、遺言者は、同人に対する推定相続人の廃除を取り消す。」
Q すでになされた相続人の廃除の取り消す場合
「遺言者は、長男Aに対してなされた相続人の廃除(事件番号 横浜家庭裁判所平成24年(家)第○○号 推定相続人廃除申立事件)を取り消す。」
認知
Q 子を認知する場合
「遺言者は、神奈川県横浜市○○(本籍) A(平成○○年○○月○○日生)を認知する。」